一人ゆんたく芝居
黙認耕作地(もくにんこうさくち)
『黙認耕作地』とは、軍に接収されている土地ではあるが、米軍が使用していないためにその土地の元々の持ち主が勝手に畑を作って作物を栽培している土地のことである。
もちろんフェンスの中にあるため、本来は民間人の立ち入りが禁止されており出入りすることは許されないのだが、米軍も見て見ぬふりをしているので黙認耕作地と呼ばれている。
さて、ここにも黙認耕作地で畑仕事に精をだすおじぃが一人。
そこへ不動産屋のにぃにぃ*(兄さん)が土地を売るよう説得しにやってくる。
土地を売る気のないおじぃは不動産屋に、これまで見聞きした嘘のような本当の事件や事故のエピソードを語りはじめる。
そこから見えてくるおじぃの胸の内。
基地は反対、しかし軍雇用員解雇反対。
更に米軍の友達はいるし、軍用地料ももらっている。
そんなおじぃの様子から”反戦平和現実主義”といういくつもの心情が交錯する沖縄の従属的現実も見えてくる。
おじぃの体験から得た生き抜く為のしたたかさをご覧あれ。
※「にぃにぃ」を直訳すると兄さんとなりますが、この場合は若い男性を呼ぶ言葉として使われています。