一人ゆんたく芝居
海人三郎(うみんちゅさんらー)
釣り番組の案内役として取材陣と一緒にサバニで大海に出た海人三郎だが、途中エンジンのトラブルで船が止まってしまい、360度水平線のただ中に漂うはめになる。
遭難だと騒ぐ取材陣を、冗談を言って落ち着かせようと試みる三郎だがどうにもうまくいかない。
そのうち三郎は、自分の過去を話し始める。
子どもの頃にイチュマンウイ(糸満売り:漁夫のもとで十歳前後から前借金と引き換えに年季奉公すること)され今住んでいる島に来たこと、奉公先での生活について、過去に出会ったすごいウミヤカラー(海の男)の話・・・。
そんな三郎の話を聞くうちに、不安がっていた取材陣にも笑いが戻ってくる。
遭難した時にさえ皆を笑わせようといろいろな話をする三郎の姿に、海人の心意気と四方を海に囲まれて生きる者のたくましさが見えてくる。
※サバニとは、沖縄に古くから伝わる漁船のこと。